仏教入門
第34講:明治・大正時代における寺格について その2
密蔵院弘道会 奥野 真明
明治33年以降に整備された智山派規則により、各寺院は格付けを受けましたが、その格式により住職の着衣する衣の色や就任できる僧位が決まっていました。以下の表の通りです。
| 寺格 | 衣の色 | 就任できる僧位 |
|---|---|---|
| 総本山 | 紫・緋 | 大僧正 |
| 別格本山 | 紫 | 権少僧正以上 |
| 准別格本山 | 紫 | 大僧都以上 |
| 常法談林 | 飛色 | 権大僧正以上 |
| 談林 | 萌黄 | 中僧都以上 |
| 准談林 | 黄色 | 権中僧都以上 |
| 格院 | 薄黄色 | 少僧都以上 |
| 平格院 | 浅黄 | 権少僧都以上 |
| 末寺 | 香色 | 権律師以上 |
| 門徒 | 黒 | 教師試補以上 |
寺院の格式よりも高い位を有している僧侶でさえ、特に管長より許可された場合(紫衣許可)を除いて寺の格式に応じて色衣を着することになりました。かつ談林住職以上でなければ得度や加行(僧侶修行)の阿闍梨になることができませんでした。当時、僧正は智山派で数名、中僧都以上も少なかったようです。格式の高い寺院住職になるのは相当大変だったようです。また、末寺と門徒の格式寺院をのぞいては他の寺院の兼務となることができない規則となっています。 密蔵院法類会所属寺院で調べてみると、
| 密蔵院 | 准談林 |
| 光福寺 | 准談林 |
| 東福寺 | 准談林 |
| 光福寺 | 准談林 |
| 清蔵院 | 准談林 |
| 成就院 | 平格院 |
| 大興寺 | 平格院 |
| 東光寺 | 平格院 |
| 泉蔵院 | 平格院 |
| 宝積寺 | 平格院 |
| 蓮花院 | 平格院 |
| 南光院 | 平格院 |
| 不動院(新郷村) | 平格院 |
| 圓光寺 | 平格院 |
| 福寿院 | 末寺 |
| 東養寺 | 末寺 |
| 歓喜院 | 末寺 |
| 光明院(青木村) | 末寺 |
| 正源寺 | 門徒 |
| 錫杖寺 | 談林 |
| 豊栄寺 | 不明 |
| 法福寺 | 平格院 |
このようなかたちになります。この格付けは昭15年施行の宗教団体法施行により廃しされ、現在は総本山、大本山、別格本山とその他の寺院というようになっております。 また僧位に関係なく智山派の住職資格の有る僧侶は、すべての寺院の住職になる資格を有しています。